【オンライン会議】冒頭の「沈黙時間」をどうするか問題

コロナがくれたご褒美

じほんま

あれ、リモートでぜんぜんイケるじゃん!

コロナ禍で「リモートワーク」が普及し、毎日の会議をオンラインでやるようになった人も多いと思います!

「オンライン会議」のメリットをあげればキリがありませんが、一番大きいのは、「移動時間」がなくなったことでしょう。

会議室から会議室へ。会社から取引先へ。通勤時間も含めれば、私たちビジネスマンは相当な時間を「移動」に費やしていました。その時間が全て「ゼロ」になる……おおくの人の命を奪った憎きコロナウイルスですが、私たちに唯一「時間」というプレゼントをくれたことは否めません。

オンライン会議特有の「気まずい沈黙」

ところが、オンライン会議には、リアルにはない困った問題がいくつか発生してしまいます。
その一つが、参加者が集まるまでの数分間におきる「沈黙時間」です。

Teamsにしろ、ZOOMにしろ、時間までのほんの数分間の間、無言の待機状態になります。

まだ会議が始まっていないんだから当たり前だろうという見方もありますが、この気まずい感じが尾を引いて、会議そのものが「ギクシャクした雰囲気」になることがあるのです。

会議において「雰囲気」は超重要です。

グループインタビューなどでも、ファシリテーターが一番気を使うのが「雰囲気」です。

それが悪いと、出てくるはずの建設的な意見やアイデアが出にくくなり、
結果的に、非常に「実りの少ない」会議になってしまうことがあるかのです。

オンライン会議は、悪い意味で「ムダがない」

そのような原因はどこにあるのでしょう?
多くの会議をウォッチした結果、主催者が、冒頭で言いがちな「ある一言」に問題がある気がします。

皆さんお揃いのようですね。
お時間もありませんので、早速はじめさせていただきます

「オンライン会議」では、あらゆる「ムダ」が可視化されます。

「参加メンバーの遅れ」も、画面上で一目瞭然ですし、議題から話がズレるたびにPC上に表示されている「経過時間」が目に入ってきます。

業務効率性の点では、ムダがないのはいいことなのですが、主催者が、これらの「ムダ」を排除すればするほど、「発言しにくい空気」が醸成されてしまうのです。

一方、リアルの会議はどうでしょうか?

思い起こせば、リアルの会議は、「ムダ」だらけです。

たとえば、クライアント(取引先)に訪問した際、いきなり会議が始まることはありません。

受付で待っているとき、会議室に案内してもらうとき、そこには、かならず「スキマ時間」が生まれていました。

そんなとき、我々は、きまって「雑談」をしていました。

社内の会議でも同じです。メンバーが揃うまでの時間は、「おしゃべりタイム」でした。そして、会議が始まってからも、だれかの発言をきっかけに、大きく脱線することは珍しくありませんでした。

しかし、それらの「ムダ」が、参加者どうしの心理的な距離を縮め、会議室の「空気」をいい感じに温めていたのです。

参加者の「モード」に注意を払うべし

さまざまな意見を持った人が集まる会議は、「緊張感を伴う状態」になりがちです。

しかし、自由闊達に意見を述べてもらおうとすれば、もっと「リラックスした状態」になってもらう必要があります。

私は、人がもっている、この二つの状態を、それぞれ「Pモード/Aモード」と呼んで整理しています。

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  • 「Pモード」(Passive=受動的)=「待受タイム」
    気分的にもリラックスした状態。外部からの情報に、広く門戸を開いている。

 

  • 「Aモード」(Active=能動的)=「集中タイム」
    集中し、脳が活性化している状態。情報の受発信を盛んにやっている。

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会議をする際には、全員がお互いに心を開いている「Pモード」から始まるのが理想です。

いえ、会議だけではなく、スピーチ、プレゼン、日々の業務報告まで、
あらゆるコミュニケーションは、相手が「Pモード」になっている時に始めるべきなのです。

これは、リアルであろうが、オンラインであろうが変わりません。むしろ、場の雰囲気を和らげる「ムダ」が発生しない「オンライン会議」だからこそ、参加者の「モード」に注意を払う必要があるのです。

もし、相手が、過剰に集中している「Aモード」にいるのであれば、会議を始める際に、「Pモード」になってもらいたいところです。

会議のはじめは「アイスブレイク」から

そこで、おすすめなのは、会議のスタート時に、「アイスブレイク」を入れることです。

「アイスブレイク」といっても、特に難しいことではありません。
冒頭に、ほんの少しだけ「本題とは関係のない話」をすればいいのです。

会議の進行が上手い人は、「アイスブレイク」を欠かしません。
例えば、ある主催者は、こんな発言からスタートしました。

 

クライアント

私ゴトで恐縮なのですが、このところ「自粛太り」が止まりません。
みなさんに顔を見せるのが、はばかられるレベルになってきました(笑)

来週の定例会までには必ず痩せます!
こういうのは、「公言効果」といって、宣言すると、達成しやすいら
しい

ですよ(笑)
あ…ムダ話はこの辺にして、そろそろはじめましょうか(笑)

 

参加者が揃うまでの待ち時間に、こんなことを話し始めた人もいます。

 

じほんま

ぜんぜん関係ない話していいですか?
この自粛期間中に、「鬼滅の刃」にハマってしまいまして・・・

普段、アニメはほとんど見ないのですが・・・
これを機に、アニメをもっと見たくなりました!
お詳しい方いらっしゃいますか?ぜひオススメを教えてください(笑)

最近のマイブームとか、面白かったテレビ番組の話題とか、なんでもいいので、「ムダ話」を入れるのです。

そこに「オチ」はなくても構いませんし、「役に立つ話」である必要もありません。
むしろ、くだらなければ、くだらないほどいいのです。

この、ほんの数十秒の「ムダ話」の効果は絶大です。なぜなら・・・

 

この会議は、オープンな感じでやりたいと思います!

というメッセージになるからです。「アイスブレイク」があることで・・・

(なんだ、こんなくだけた感じでいいのか)

(この自由な感じはいいね。話しやすい)

と、参加者は理想的なマインドになれるわけです。

重要なのは、この「ムダ話」をあらかじめ用意しておくことです。

「冒頭の待ち時間や、ちょっとした休憩で話すこと」をあらかじめ準備しておくことで、これらの沈黙に対処できます。

「コミュ力」のある人は、こういった努力を水面下でやっています。

アイスブレイクは、ほんの少し「勇気」がいるかもしれません。
しかし、会議をより有意義なものにするためにも、思い切って取り入れてみてはいかがでしょうか。

きっと、会議の空気を温めて場をコントロールできる、気配りのある人だと、あなたの評価も高まるはずです。

こういったテクニックの数々は、「武器になる雑談力」に収録されていますので、ご興味を持たれた方はご一読ください。

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